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調剤薬局事務に資格は必要?|経験者として思うこと

医療・福祉系資格

最近通信などの資格取得講座を見ると、調剤薬局事務に関係する資格の人気が高くなっていますね。
比較的短期間で簡単に取得でき、就職にも使えるというのが主な理由のようです。

しかし、そもそも調剤薬局事務は資格がなくても誰でもなれる職業です。
だとしたら、わざわざ勉強して資格を取るメリットって何だろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

今回は「調剤薬局事務の資格を持たない元・調剤薬局事務員」である私が、個人的に資格の要・不要について考えてみました。
資格を取ろうか迷っている皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

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調剤薬局事務を目指すなら、資格は取った方が良い

結論から言いますと、私は「資格取った方がいい派」です。
ただし資格を取得する目的がはっきりしている場合に限ります。

「なんとなく資格を持っておきたい」というだけであれば、調剤薬局事務はあまりおすすめしません。

理由について詳しく述べる前に、まずは私個人の経歴について少しだけ触れさせていただきます。

すすたけの経歴

2018年まで、とあるドラッグストアチェーン併設の調剤薬局で2年ほど働いており、一時は事務の身でありながら薬局長(薬局責任者)まで務めさせていただいておりました。

ですが、先に断っておきますと、私自身は調剤薬局事務の資格を持っておりません。

その代わりと言いますか、前職が総合病院の事務だったため、調剤薬局に勤める以前から医療事務管理士©という資格を所持しておりました。

医療事務は主に病院やクリニックなどで働く場合の資格なので、調剤薬局事務とはカバーする分野がちょっと違います。

ただし、保険診療の基本的な知識や処方せんの読み方、レセプト(診療報酬明細書)による請求の仕組みなど、必要な知識としては調剤薬局事務と共通する部分も多いため、それほど抵抗なく仕事を始めることができました。

「資格を取ると有利!」ってほんと?

就職活動にはそこまで有利にならない

よく通信講座の説明などでは、「資格を持っていれば就職に有利!」と言われることが多いですが、実際はそうでもないです。

医療事務の求人にも言えることですが、募集に際して資格を必須としているところはほとんどありません。
採用する側としてはせいぜい、「ないよりはあった方がいいかな」程度です。

私も自身の薬局に限らず、仕事でいろいろな調剤薬局を回る機会がありましたが、調剤薬局事務の資格を取った上で就職したという方にはあまり会ったことがありません。
勤め始めた年代にもよりますが、薬局に入ってから業務を覚えたという方が大半でした。

最近は調剤薬局事務の人気・知名度が上がってきたので、資格を持った方も増えてはいますが、募集する側の実態を見た立場としては、さほど重要視していないのが正直なところです。

資格手当が付く職場は多くない

これも資格を紹介するサイトなどで「資格手当が付く」「給料で優遇」といった記載をたまに見かけるのですが、あまり期待しない方が良いですね。

調剤薬局事務の資格は、国家資格でも必須資格でもありませんので、わざわざ資格手当を設けている薬局の方が少数だと思います。
医療事務の場合はちらほら見かけますが、調剤薬局だと大手以外はあまり給与に反映されないことの方が多いです。

仮に手当が付いたとしても少額ですし、そもそも調剤事務の給与自体があまり高くないので、それ目当てで取得するほどのものでもないかと思います。

それでも資格を取った方が良いと思う訳

ここまであまりメリットがないような書き方をしておいて何だと思われるかも知れませんが、冒頭で述べた通り、私としては調剤薬局事務を目指すのであれば資格は取っておいたほうが良いと思います。

理由は「就職するときに有利」だからではなく、「就職してから絶対に役に立つ」から

調剤薬局事務は一般的な事務職に比べて、かなり専門的な知識が必要です。

それも仕事をしながら少しずつ覚えれば良いというのではなく、基礎知識として絶対に知っておかなければいけないことが非常に多いのが特徴です。

2、3ヵ月で簡単に取れる資格なんて言われますが、いざ仕事を始めてゼロの状態から独学で覚えようとすると、正直かなり大変です。

未経験の方が調剤薬局で働く場合、最初のうちは通常業務やレセコンの操作方法などを覚えるだけでも大変だと思います。
そんな中で医療保険の種類、調剤報酬の仕組み、 処方せんの読み方、 薬の種類、レセプトの書き方とルール等々……全て仕事をしながらひとつひとつ覚えるとなると初歩の段階で大抵の人はパンクします。

きちんとしたマニュアルがあったり研修があったりする薬局の方が少ないですし、 薬局に入って医療保険の基礎すら知らないようだとはっきり言って仕事になりません。

資格は履歴書に書くためだけにあるのではなく、正しい専門知識を持っているという「証明」になるものです。
どうせ勉強しなければいけないのなら、ちゃんと「資格」として持っておいた方が、将来のためにもなりますし、信頼も得やすいと思います。

まとめ

「なんとなく資格を持ってると有利かな?」という程度で調剤薬局事務の資格を選ぶのであれば、正直メリットは少ないです。
似たような資格であれば医療事務の方が働ける場も多いですし、取得する価値も高くおすすめです。

ただ、「薬局に勤めたい」という気持ちがある程度固まっているのなら、絶対に取っておいて損はないと思います。
新しくお仕事を始める際、基礎的な知識があるか・ないかによって、スタートが全く違います。

調剤薬局でのお仕事自体に興味を持っているのであれば、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

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