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調剤薬局事務あるある~患者さん編~

患者さんへの説明医療・福祉系資格

どうも、管理人のすすたけです。

私はこれまでに病院の院内薬局に3年半、調剤薬局に2年ほど事務職として勤めた経験があります。

薬局には毎日いろいろな患者さんがいらっしゃいますが、中にはちょっと困った患者さんや、不思議なこだわりをお持ちの患者さんも…。

こういうこと、多かれ少なかれどこの薬局でもあるんじゃないかな?と思ったので、私が経験した範囲で印象に残ったものをまとめてみました。

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あるあるその1:受付~処方入力編

薬剤師さんへの態度と事務への態度が天地ほど違う

薬剤師さんにはにこにこ愛想良い反面、事務にはキツく当たる患者さん、時々います。

過去に病院に勤めていた時は、「医者の言うことは聞くけど看護師の言う事は聞かない」という患者さんがゴロゴロいたので、「ここでもか…」と思った次第。

調剤薬局事務は圧倒的に女性の方が多いですが、特に私が経験した薬局の場合は、どこも20代~30代の事務さんが大半でした。

近隣の医療機関事情にもよりますが、一般的に病院や薬局の利用者はご年配の方の割合が多いですよね。

若い女性の事務員はどうしても下に見られてしまうのか、怒鳴られたり高圧的な態度を取られたりといったことが(頻繁ではないですが)時々ありました。

特に中高年の男性の方に多い印象です。
時々セクハラまがいの言動をされる方もいて、対応に困ることもありました。

逆に孫を可愛がるような感覚で優しくしてくれるおばあちゃんとかもいましたけどね。

「お嬢ちゃんアメ食べる?」って、ごめんなさい私アラs…いや、何でもありません…。

新患アンケートの記入を全力で拒否

病院でアンケート書かされて、待たされて、薬局でもアンケート書かされて、待たされて…患者さんの立場からすると、面倒だな~と感じるのも無理はないですよね。

ご住所・連絡先だけでも書いてくれれば良い方ですが、中には名前以外何も書いてくれない人や、そもそもアンケート自体受け取ってくれない人も。

何か事情があって個人情報に対して神経質になっているのかもしれませんが、病院ではちゃんと登録しているのに薬局では教えてくれない方も多くて、この差は一体…とちょっと落ち込む時もあります。

アンケートの記入は強制ではないですが、保険の請求時に必要になる情報や、持病など薬を処方する上で重要な情報については最低限書いて頂きたいなと思います。

ジェネリック医薬品を全力で拒否

ジェネリック医薬品もだいぶ浸透してきましたが、いまだに「ジェネリック=偽物、安物、品質が悪い、危ない」…といった先入観が強い方も多く、露骨に拒否反応を示す患者さんもいます。

中にはひとつひとつ「この薬はジェネリックか」と確認してくる慎重な方も。

でも、調剤薬局事務経験者や薬局関係者の方ならお分かりかと思いますが、薬の中には「ジェネリックしかない薬」とか「先発が何種類もある薬」という厄介なものもありますよね。

これを患者さんに分かるように説明するのがすごく大変。
中には「先発品がない理由」まで詳しく聞いてくる方もいて、ひとつひとつ調べるのにすごく手間が掛かりました。

ジェネリック選びに並々ならぬこだわりを持っている

「この薬は先発でないとダメ」「これはここのメーカーじゃないとダメ」「OD錠は嫌」…等、こだわりのある患者さんは結構います。

ちょっと珍しいなと思ったケースとしては、ご自身の中でジェネリックメーカーのマイランキング(?)があって、優先順位を守って欲しいというご要望がありました(例:サワイでジェネリックが出ていたらサワイで、なければ次はトーワで、次はこれで…といった感じ)。

あとは「取り寄せになってもいいから全部一番安いメーカーにして」、というものも何件か。
その都度患者さん情報に追記していくのですが、こういったこだわり派の患者さんは、処方入力の段階ですごく気を遣いますね。

あるあるその2:調剤編

とにかく調剤方法へのこだわり・要求がすごい

常連さんになると、調剤方法にもいろいろ特殊な注文が付くことがありますね。

私が経験した患者さんの中には、薬の調剤方法から会計のときの領収書の出し方まで事細かに指定してくる患者さんがいました。

以下、その患者さんから受けた要望の一部です。

  • 錠剤やカプセルといっしょに漢方薬(顆粒)も入れて一包化
  • 薬袋に記載される内容を自分好みにカスタマイズ希望
  • 薬の分け方を指定(食前・食直前いっしょに薬袋に入れる、等)
  • 薬袋への薬・説明文書の入れ方、向き、入れる順番などの指定
  • 領収書は感熱紙NG、領収印はまっすぐ綺麗に押す
  • 処方せんのコピーを取って会計時に一緒に渡す

その他、受付~処方入力編でもあったお薬のメーカー指定なども当然のようにありました。

次いつ受診されるかだいたい把握していたため準備はしていたのですが、担当医の処方に対しても注文が多いらしく毎回処方内容に変更があり、その患者様(ご夫婦で、合わせて処方せん10枚近くあった)だけで用意に何時間もかかっていました……。

これはかなり極端な例ですが、調剤方法に対する要望が多い患者さんは一定数おられて、薬局内での共有が結構大変でしたね。

実際にあった、調剤に関する謎な要望いろいろ

「薬は全部箱に入れた状態で欲しい。
  数錠のバラになったPTPシートでも箱に入れて渡して欲しい。」


⇒ 何に使う気なんだろう箱を…そもそも箱だけ余分に置いてたりしないので難しいです(;´Д`)

「薬袋いらないので、ビニール袋に全部の薬まとめて入れて欲しい。」

⇒ どれが何の薬か分からなくなりません??(;´Д`)

「錠剤・カプセル1錠(1C)ずつで分包して欲しい」

⇒ いやそれ、飲む時めんどくさくないですか…分包の意味は…というか作る方も面倒なんですけど…(;´Д`)

あるあるその3:投薬編

「薬減らして」「変更して」と投薬の時になって言う

お薬を作って渡す段階になってから「あ、この薬いらない」「この薬は効かなかったから変更して」などと言われて作り直すこと、多いのではないでしょうか。

そうなると当然、担当医に問い合わせて(疑義照会)、データを入力し直して、薬を差し替えて(場合によっては作り直して)、もう一度投薬…となるので、結構時間が掛かってしまいます。

手間が増えること自体は仕方がないのですが、それでお待たせすると結局こちらが怒られることになるので、「最初から担当の先生に言っておいてくれれば…」と思う事もしばしば。

ただ、患者さんの話を聞いてみると必ずしも悪気があるわけではないらしく、「先生忙しそうだから言いづらくて」「診察のとき薬について何も聞かれなかった」「変更してってお願いしたのに変わっていない」…など、担当の先生とのコミュニケーションがうまくいっていない場合も多いようです。

あとは、薬局に言えば変更できると思ってあえて医師に伝えないケースもありますね。
処方元でしっかり確認してくれれば一番なのですがそうもいかない場合が多いですし、患者さんは処方変更のルールなんて知らなくて当然なので、丁寧に説明して待って頂くしかないですね……。

世間話が長い

これも患者さんには悪気がないので逆に困るパターン。

事務も薬剤師もできるだけお話はじっくり聞くように努めますが、投薬で後がつかえている時など、待たされている患者さんの方はイライラが募ってクレームになってしまうことも。

患者さんへの丁寧な対応は必要ですが、薬や病気に関係のない世間話にどこまで付き合うべきか、判断が難しいところです。

お薬手帳めっちゃいっぱい持ってる

複数の医療機関にかかっている方に多いのが、大量のお薬手帳コレクションをお持ちの患者さん。

以前使っていた手帳を持ち歩いている場合や、医療機関ごとにきっちり使い分けている場合はまだ分かるのですが、手帳を忘れるたびに新しいのを作ったりして無駄に増えてしまったパターンも…。

チェックする医療機関側としても、ご本人の記録としても分かりづらいので、こだわりがなければひとつにまとめさせてもらいたいです。

残薬めっちゃいっぱい以下略

これは困るというより心配になってしまいますね…。
特に毎日飲み続けないといけない薬の場合、「こんなに余ってて大丈夫!?」と焦ることもよくあります。

ご年配の方で自己管理に不安のある方は、代わりに管理してくれるご家族がいれば良いのですが、実際はなかなか難しいですよね。

本来は担当医に残薬のことを伝えてもらい、処方の段階で調整するのが一番なのですが、やはりこれも担当医の先生には言いづらいのか、単純に薬局で調整するものだと思ってらっしゃるのか。

薬局に来てから処方を変更すると時間と手間がかかるのはもちろんですが、何より患者さんの健康に影響することなので、処方元でも残薬のことは気にして頂きたいですね。

そもそも投薬拒否

お金が掛かる、毎回同じ説明を聞くのは時間の無駄、などの理由で投薬拒否される場合。

患者様が医療従事者で十分な知識がある場合、情報提供不要な場合もありますが、私の経験上お医者さんや薬剤師さんは「普段通りに投薬して下さい」と言ってくれる方が多かったです。

医師・薬剤師以外の医療従事者の場合(大抵は看護師さん)は、ちょっと心配になるケースもありましたね。

私のいた薬局の常連さんでは、「娘が看護師だから」と言って薬剤師さんの話を一切聞いてくれない患者さんがいました。

現役看護師さんには大変申し訳ないのですが、正直、看護師さんが医師・薬剤師並みに薬に詳しいとは到底思えません…。

ちなみにその患者さんに処方されていたのは糖尿病のお薬で、娘さんは整形外科の看護師さんでした。
いや、整形外科って…(絶句)。

お医者さんですらご自身の専門科以外の薬はよく知らない方がほとんどなのに、看護師さん(しかも本人でなくご家族)が薬の飲み合わせや副作用のリスクを把握してきちんと管理できるのか不安です。

他の薬局の方から聞いた話では、「自称調剤事務」「身内がMR」といったよくわからない理由で説明を拒否する患者さんもいらっしゃったとか…。

投薬にかかるお金や時間なんてほんの僅かですし、何よりも患者さんの安全のためなので、基本的に医師・薬剤師以外の方はちゃんと説明を聞いて欲しいです。

あるあるその4:会計編

支払い金額の内訳を細かく聞きたがる

医療費の領収書や明細書って、ろくに見ない方もいれば、細かい項目までものすごく気にする方まで様々。

特にDO処方(前回と全く同じ内容の処方)なのに金額が変わっていたり、薬の量は減っているのに金額が増えたりしていると、理由を聞かれることはよくあります。

調剤薬局事務になった当初は聞かれて困ることも多かったのですが、慣れてくるとその場で説明できるようになりました。
自分自身にとっても勉強になったので、悪い事ばかりではなかったと思います。

ただ、混んでいて忙しい時に当たってしまうとちょっと焦りますが。

お金がないけど今すぐ薬が欲しい!後で払うから!⇒そのまま音信不通

こちらも実際にあった事例。

正直、未収金の問題は多かれ少なかれどこの薬局でもあるのではないかな…と思います。
「持ち合わせがない」というだけで簡単に断れないのが、お店と医療機関との違いで難しいところですよね。

これは私のいた薬局(というか会社)のルールですが、薬剤師さんの判断で緊急性があると判断した場合、必要最低限の日数分だけお薬を出し、残りは後日…という対応になっていました。

殆どの方は後日支払いに来てくださいますが、稀にそのまま連絡がつかなくなる方もいらっしゃいます。

悪意があって踏み倒す方も中にはいるのかもしれませんが、大抵は生活に困窮していて医療費が支払えない場合が多いようです。

正直に相談してもらえれば対応のしようもあるのですが、電話も郵便も訪問も無視されてしまうともう法的手段しかなくなってしまいますね…。

まぁ実際のところは、事を荒立てたくないので泣き寝入りする薬局が結構多いようですけれども。

あるあるその5:後日編

会計済みのお薬をいつまで経っても取りに来ない

2,3月分まとめて処方されるお薬などは、薬局の在庫が足りなかったりして、不足分だけ後日お渡しになることもよくあります。

しかし、「残りは後で取りに来ます」と言ったままずっと取りに来ず、電話も繋がらない…という方が結構いらっしゃいます。

時間が経って薬が必要なくなったのか、薬のこと自体忘れているのか、いずれにせよ投薬・会計を済ませてしまっているため扱いに困ります。

勝手に送り付けるわけにもいかないですし……。

それにしても近頃は電話に出ない方本当に多いですね。
個人情報の問題や、勧誘・詐欺の多発など、警戒されている方が多いのでしょうか。

その気持ちは分からなくもないですが、大切なお知らせもあるので、いざという時に連絡がつくようにして頂けると助かるのですけどね……。

調剤薬局の日常を扱ったおすすめ漫画

お薬手帳と薬袋

ここまで、「調剤薬局あるある」患者さん編をお送りしました。
また思いついたネタがあれば、随時追記していきたいと思います。

最後に、あるあるネタではないですが、調剤薬局の日常を扱った漫画を見つけましたので紹介させて頂きます。
内容は主に薬剤師さん目線ですが、調剤薬局事務の目線から見ても「分かる…!!」と思ってしまうシーンが満載です。

関係者だけでなく、薬局を利用する皆さんにも、ぜひ読んでみてもらいたい一冊。

薬剤師さんってこんな仕事してるんだな……
調剤薬局では裏でこんなことしてるのか……
と、漫画をきっかけに少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

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